ドクターストップが解かれた次の日、
快気祝いと仕事を兼ねて、とある料理屋へ一人で行く。
当初は100%プライベートモードでマジ呑みしに行く気だった
ので、酒呑めるぞ万歳記念キンキラキンのフリフリスタイルで
一人イケイケでキメていたのだが、
いざ出ようかというその時になって、
コーディネーター君から電話が来て、
「今日ササクレさん、XX行かれるんですよね?
今日XXにXXXの社長さんがいらっしゃってるので、
くれぐれも呑みすぎないでくださいね!お願いしますよ!」
とまるで保護者のごとく釘を刺されてしまう。
っつーか、フツーに呑みに行くつもりだったのに!
わざわざ言うんじゃねーよ、と舌打ちしたくなったのだが、
乳飲み子のいるおとっちゃん(=コーディネーター)の面子を
私(=酔っ払い)なんかのために潰すわけにもいかず、
おとなしく「わかりました。一合しか飲まないことにします。」
と約束した。
「え!ササクレさん!本当ですか!うわっ!ありがとうございます!終わったら電話くださいねー」とマジでうれしそうなコーディネーター。
ちょっとアンタ、どんだけ私が酒乱だと思ってんの!
仕事絡みのときくらい、酒控えるわよっ!
餓鬼じゃないのよ!そろそろ婚活しなきゃいけない年頃なのよ!
それくらい弁えてるわよっ!
・・・と確かに一瞬、そのときは思ったのは事実なのだけど、。
結局、先付けと前菜の旨さにほだされて、お造りにいく前に
約束の一合なんてあっという間に飲み干しちゃう。
あれ?私、確か「一合しか飲まない」って約束しなかったっけ?
え?でもちょっと待って。っつーか、この飯代、私の自腹だし。
自腹で飲む酒に我慢も制限もへったくれもないし。ってか、
今日はまだお休みだし。いいや。えいっ!のんじゃえ!
・・とものの見事に「生貯蔵お願いしまあす!」と二合目へ。
そこで止めておけばよかったのだけど、
決して安くはない店のカウンターで
夕方6時から一人でコース料理を頼み、日本酒かっくらう女が
よほど珍しかったのか、板長がどんどん
サービス料理を出してくれたり、「私もお酒大好きなんです!」
といかにも酒好きそうな店の人やお客さんが
話しかけてきてくれたりしたため
がんがん居心地がよくなって、
結局焼物あたりで三合目に突入。しかも熱燗呑んじまう。
が、体調が完全でなかったこともあり、
二度ほどトイレで下呂る。
でも、そこで留まらないのが私。下呂で空いた腹の隙間に
出巻卵と坦坦麺を流し込むという難技まで披露(むふっ)。
結局、食後酒まで飲んじゃって
「もう、超たのしい!すんごい楽しい!バイバイ!」
と店の人らに手を振って出たときには、もうフラフラのベロベロ。
日テレの取材チームがいたら、絶対間違いなく
私にインタビューするわ!SL広場!カモーン!!
というくらい完全無欠の酔っ払いロックンロール。
というか、頭ロールしすぎて駅つけねーし。
そのうえ、ご機嫌ついでにやめときゃいいのに
「約束どおり」コーディネーターに電話をかけてしまう。
「もしもし」「もしもし」
「もしもしもしもしもしもしもしもし・・・うきゃきゃきゃきゃ!!」「・・・・」「ねーねー超楽しかったっ!すっげえ楽しかった!」「はっ?はっ?はぁぁぁ???」「っていうかぁ、すんげえ呑んじゃったー。私やばくねー???ハイヒールとかはりきってはいちゃったんだけどぉ、歩いてる途中でなんかぶっこわれてぇ、靴屋のおじさんがタダで直してくれたの。なんか今日すげえラッキーじゃない、ねーーーー!!」「・・・。で、社長にはちゃんとご挨拶したんですか?」「え???ん????なんかぁー、私、今すんげえ気持ちよく酔ってるから、難しい話あとでね、がちゃん!」
・ ・・嵐のごとく電話をかけて、嵐のごとく電話を切った。
・ そう、だって酔えば誰でもスカーレットになれるのよ!
・ ・そして次の日。
起きた瞬間、顔面蒼白。
バックを開けてみると、確かにあったんだ・・社長の名刺。
が、どうも記憶が・・あ、もしかして「バイバイ」って手ぇ振っちゃった人・・と思い出そうとすればするほど・・思い出したくないし。
「すみません、調子に乗りすぎました。楽しすぎて・・大丈夫かしら?」とコーディネーターに電話をすると、
「大丈夫なわけないでしょう。貴女、本当ギャンブラーですよ・・」ととても温かい励ましのお言葉を頂戴する。
・・が、その数日後、なぜだか先方がまた会いたいと言っていると連絡が入る。
ほっとした反面、「何がOKだったのかさっぱり私には分からんわ・・」とコーディネーターに言うと、「OKだったのか、ただ素面との違いが見たいのか、珍しい動物を発見した気分なのか・・それは僕にも謎です。」とナイスファイトなご名答。
それから気分転換に相方の家にいき、転寝している相方をよそに第三のビールを盗み飲もうと冷蔵庫を開くと妙なものを発見。
・・・なんで、バースデーブーケがここにあんだあああ!!!???
そう。料理屋に行ったその日はちょうど奴の誕生日で、
ブーケとケーキとバースデーカードとキャンドルを買って帰り、
真夜中にケーキの上のローソクを消すくらいのことはしたのだが、
とにかく私がベロベロだったため10分ほどでイベントは終了したのである。
酔っ払いながらも水切りをして、コップに水と漂白剤を入れて、
腐らないようにしておいたはずなのだが、まさか
その花がまんま冷蔵庫に、しかも「肉のハナマサ」の大量業務用
ソーセージと腐りかけたタイ産のベーコンの脇に
保存されることになるなんて・・・・。
「・・寝てるところ悪いんだけど、 なんで、誕生日の花束、冷蔵庫にしまってるの?」と質問すると
相方は寝ぼけたまま「ん?長持ちするでしょ・・・むにゃむにゃむにゃ」と面倒くさそう煮答える。
仕事尽くめの相方がその日帰ってきたのは午前2時過ぎで、
キャンドルと花束を見たとき、「誕生日すっかり忘れてた・・」と多少嬉しそうだったのは確かなのだが、
・・・だからって、ブーケ冷蔵庫にまんま入れるって・・・。
そのうえ、全くあれから水を替えた形跡ないし。
せっかくのガーベラと薔薇の香りが、ソーセージとたくあんと腐ったタイ産ベーコンのにおいに負けてるし・・
っつーか、まるで私の扱われ方まんまじゃん!(怒)
「っていうか、大事にしてる割には、既に萎れかけてるけど」
「・・・・グーグー」
「しかも、あん時のケーキまだあるけど・・」
「・・・・・・一口・・・・・・クッタ」
「・・・・花、ソーセージくせーし」
「・・・」
「・・萎びてて、ソーセージ臭くて、ちっちぇーし」
「・・・・何言いたい?」
「・・・・別に。」
・・・最後は私、エリカ様になってた。
posted by ササクレYUKO at 12:53| 東京

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